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世界で最も影響力のある経営思想家(2019-2020)

2年に一度開催される“Thinkers50(経営思想家ベスト50)”の表彰。そこではリーダーシップ、戦略、イノベーション、デジタルの影響について卓越した考えをもつ50人の経営思想家がその考察の影響力に基づいてランク付けされます。

INSEADビジネススクールの教授で、企業の経営顧問も兼務するW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏は、書籍ブルー・オーシャン・シリーズの共著者であり、INSEADブルー・オーシャン戦略研究所の共同ディレクターを担当しています。この二人は、世界で最も影響力のある経営思想家(2019年)として選ばれました。ロジャー・マーティン、マイケル・ポーター、クレイトン・クリステンセン、ピーター・ドラッカー、CK・プラハラードといった経営学の巨匠たちの後を継ぎ、Thinkers50の最新ランキングで1位に輝いたのです。

2019年のトップ50は、Thinkers50ウェブサイトからの一般の推薦、そして特定の専門家チームからの意見を合わせて選出されました。キムとモボルニュの経営学への長年の業績が高く評価されました。その著書『ブルー・オーシャン戦略』(2005年出版)は400万部以上のベストセラー。続いて2017年に出版された『ブルー・オーシャン・シフト』は、過当競争が繰り広げられている激戦市場から、チャンスの眠る青海原(競合のいない未開拓市場)へと至る5つのステップを示しています。

また、Thinkers50とは別に“経営思想のアカデミー賞”として知られる11の賞が分野別に授与されました。そのなかで富士通がスポンサーとなったイノベーション賞を受けたのは、ダートマス大学タック・ビジネス・スクールの教授で、“リバースイノベーション”のコンセプトを生みだしたビジェイ・ゴビンダラヤン氏です“リバースイノベーション”の考えによれば、製品はまず低コストの途上国で開発、市場投入されたのちに先進国に投入し、市場破壊が起こる価格で流通させます。

Thinkers50に選ばれた上位の経営思想家の多くは、I-CIOの“Big Thinkersインタビュー”シリーズにも登場しています。

アレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュール(4)
リタ・マグレイス(5)
エリック・ブラインジェルフソンとアンドリュー・マカフィー(8)(英語サイト)
スコット・アンソニー(9)
ハーミニア・イバーラ(18)(英語サイト)
リンダ・グラットン(13)
リンダ・ヒル(22)
レイチェル・ボッツマン(30)
ゲイリー・ハメル(31)(英語サイト)
セス・ゴーディン(34)(英語サイト)

以下にThinkers50のトップ5をご紹介します。

1

W・チャン・キムとレネ・モボルニュ



400万部を売り上げた『ブルーオーシャン戦略』の共著者。ともにフランスのINSEADビジネス・スクール教授として教鞭を執り、ブルーオーシャン戦略研究所の共同ディレクターを務める。未知の海(未開拓市場)を企業はどう進むべきかを説く。2017年、待望の新著『ブルー・オーシャン・シフト:市場競争を超えて – 確信を芽生えさせ新たな成長をつかむための実践的ステップ』を出版。過当競争の過密市場から未開市場へのシフトを求める企業に、戦略策定の道筋を段階的に解説。
@BlueOceanStrtgyをフォローする

2

ロジャー・マーティン



トロント大学の元学長で、現在は同大にあるロットマン経営大学院のコーポレート・シチズンシップ研究所およびマーティン・プロスペリティ研究所のディレクターを担当。“インテグレーティブ・シンキング(統合的思考法)”のもつ問題解決力に注目した研究を進める。この思考法をマーティン氏は事業を発展させる創造的能力として、GEやP&G、LEGOなどのCEOに見ている。それは、顧客、従業員、競合、企業力、コスト構造、業界の展開、規制環境といった要素を鑑み2つの相反するアイデアやモデルからどちらをも上回る統合を生みだす能力。『Creating Great Choices: A Leader’s Guide to Integrative Thinking(優れた選択をするために – 経営者へのインテグレーティブ・シンキング・ガイド)』が最新の著作で、マルコム・グラッドウェルはこの本を「意思決定をする人間に何を考えるべきかではなく、いかに考えるべきかを説く稀なビジネス書」と評している。このほかにも企業の社会的役割に着目した『Getting Beyond Better: How Social Entrepreneurship Works(改善を超えて – 社会性のある企業家精神の在り方)、中核的事業戦略をテーマにした『Playing to Win: How Strategy Really Works, co-authored with former P&G chairman AG Lafley(勝利の法則 – 戦略はいかに役立つか/P&G会長AGラフリーとの共著)』がある。MBAの学生をふくめ世界の企業経営者や政府が常にマーティン氏の指導を仰いている点から見ても、マーティン氏の著作の実践的価値がわかる。
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3

エイミー・エドモンドソン



ハーバード・ビジネス・スクールの教授として、リーダーシップと経営の教鞭を執る。企業を成功と社会貢献に導くビジネスチーム作りについての権威。とくに2018年に出版した『The Fearless Organization: Creating Psychological Safety in the Workplace for Learning, Innovation and Growth(恐れのない組織 – 職場に学習力・イノベーション・成長をもたらす心理的安全性の創出)』 は、全社的にコミュニケーションチャネルを統合し、革新性と透明性を高めようとする企業にとってのこの上ないガイドと賞賛される。
@AmyCEdmondsonをフォローする

4

アレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュール



コンサルティング会社ストラテジャイザーの共同創業者。ピニュール氏はローザンヌ大学の教授として経営情報システムを教える。共著で『ビジネスモデル・ジェネレーション』を出版。図解を採り入れたこの本は数多くの企業経営者のハンドブックとなっており、“キーパートナー”、“価値提案”、“顧客セグメント”といった要素が一目で俯瞰できる表にまとめられたビジネスモデル・キャンバスについて解説している。ビジネスモデル・キャンバスは、ビジネスモデルの定義、再確認、見直しのひな形として5百万人以上に用いられたと言われている。共著の3冊目『The Invisible Company(見えない企業)』を2020年5月に出版予定。終わりなきイノベーション・ポートフォリオ、ビジネスモデル・メカニクス、新しい成長エンジンといった章立てで、デジタル時代の古典となった前著をさらに進化させる内容となる。
アレックス・オスターワルダーのインタビュー記事
@AlexOsterwalder と @ypigneurをフォローする

5

リタ・マグレイス



ビジネス・トランスフォーメーション論の第一人者として世界的に知られる。ニューヨーク、コロンビア大学の教授として、戦略とイノベーションの教鞭を執る。ベストセラーとなった著書に『The End of Competitive Advantage(競争優位性の終焉)』があり、2019年に出版した『Seeing Around Corners(周囲を見回す)』は、企業経営者に向けて市場破壊が生じる変化の時を見分け、それを利用する術を説く。
I-CIOによるリタ・マグレイスのインタビュー動画@rgmcgrath


• Thinkers50ランキングの 詳細はこちら(英語サイト)