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Image: Alamy

Airbnbのマインドセット:破壊的イノベーションの勝者の見解

2016年7月

全ての業界において、デジタル・スタートアップ企業がビジネスを脅かすとともに、ビジネスに刺激を与えています。Airbnb(エア・ビー・アンド・ビー)の英国・アイルランド地域のゼネラルマネージャーであるジェームス・マクルーア氏が、デジタル・スタートアップ企業のように考え、行動したいと思っている、ITリーダーに対してアドバイスします。

自動車や宿泊サービスから、ベンチャー投資、ペットの世話に至るまで、シェアリング・エコノミー(sharing economy)は、商品やサービスを提供したり、入手したりする方法を変えることによって、多くの既存のビジネスモデルを揺るがしつつあります。

マクルーア氏は、この変化は、特定の業界のみに見られる特徴というよりは、企業の本質とより関係があると捉えています。その本質とは、インターネットや協調するためのアプリケーションを活用して、市場の両面、つまり製品やサービスを探している人と、保有している人をつなぐことです。

これこそが、Airbnbが不動産を全く持っていないにも関わらず、世界最大の宿泊サービスの提供企業に成長した秘訣です。
Airbnbの2015年の市場価値は255億ドル、その売上は約9億ドルに上り、今や世界第3位のスタートアップ企業に成長しました。

1.変革者のマインドセットを受け入れる

マクルーア氏は、確立された歴史と様々なレガシー・システムを有する企業は、Airbnbのようなデジタル変革者を恐れる必要はないと主張しています。それは「行動するか、滅ぶか」という二者択一の状況ではないと考えており、CIOやビジネスリーダーは、今後現れるデジタル変革者はどのような変革をもたらすのか、既存企業のCIOやビジネスリーダーも似たような革新的な商品やサービスをどのように提供できるか、について真剣に考えることが必要と主張しています。

Airbnbは、創業者がアパートのスペースを最大限に有効利用していないことの気付きによって生み出されました。例えば、小売業者は一日のうち半分の時間利用されていない敷地があれば、何かできないかを考えるべきです。多くの博物館では、夜間の娯楽施設としてイベントや食事を楽しめるよう、既存の劇場やレストランにとって脅威となっています。

ビジネスを成功させるには、Airbnbのような企業を学んで、自分の業界にとって活用すべき所を取り入れるべきです。基本的には、自社が持っている資産を有効活用し、顧客により良いエクスペリエンスを与えるのです。

2.顧客を知る

マクルーア氏は、顧客のことを常に考えています。テクノロジーによって、顧客が必要とし、要求しているものをより深く理解することが可能となったので、企業の技術者が、顧客とつながるようにしなければなりません。しかし、現実には必ずしもそうなってはいないのです。

シェアリング・エコノミーに参加したいと思っている企業は、顧客の思考に深く入り込む必要があります。何か改善するために既存システムに機能追加することを考えるよりもむしろ、なぜ顧客があなたの企業にコンタクトしているのか、そこで顧客が得た体験はどのようなものだったのかということに集中することを、戦略の中心にするべきです。

IT部門は、マーケティング部門が持つような顧客中心の考え方を持たなければなりません。自社の製品、ツール、サービスが、実際にどのように使われているかを理解することは、間違いなく技術者の責任なのです。

ジェームス・マクルーア氏
(Airbnb英国・アイルランド地域のゼネラル・マネージャー)
技術者は、製品をテストするフォーカス・グループと一緒に仕事をするべきです。AirbnbのCTOで共同設立者のネイサン・ブレチャジック氏は、宿泊サービスの提供者とセッションを開催する際に、このようなフォーカス・グループを実践しています。

これは非常に有益です。最近のロンドンでの朝食会で、フォーカス・グループが、Airbnbに追加したい機能を主張し、ネイサンにその対応を要求しました。彼にとって、ホストが毎日どのようにAirbnbのアプリを使用しているかを知る良い機会でした。

フィルターされていない、生の声が聞けるのです。様々な顧客が直面する課題とそれを我々がどのように克服するかについて理解しなければなりません。

3.データから価値のある洞察を得る

ビッグデータを活用することでも、顧客を深く理解することができます。AirbnbのITチームは、ホストとゲストの両方の顧客のデータをどのように分析するかについて、現在取り組んでいます。マーケットプレイスの運営者にとって、最も重要なことは、宿の提供者と宿泊客とのマッチングです。より速く、より効果的な方法でつなぐ必要があります。

顧客プロフィールを参照して、過去の履歴から、興味やこれまでの行動を詳しく分析し、ゲストが求めている宿を素早くマッチングさせることによって、両者に最高の満足を与えることができます。

データを効率的に分析し、得られた洞察に基づいて効果的に活動することが、どのビジネスにおいても成功しているデジタル企業の特徴です。全ての企業がシェアリング・エコノミーに参加するわけではありませんが、全ての企業がシェアリング・エコノミー企業の特徴を捉えて、自社のビジネスでどう活かせるかを考えることはできるのです。