スペックセイバーズ:革新的なデジタル・インフラでカスタマー・エクスペリエンスを強化

2017年6月

どのように最先端のインストア技術を活用してCX(カスタマー・エクスペリエンス)革命を起こすかについて、グローバルなアイケア・スペシャリストのフィル・パヴィットCIOが語ります。

フィル・パヴィット氏は、2014年6月に世界最大の民間メガネチェーン、スペックセイバーズのグローバルCIOに就任した時、彼はイギリスに本社を置く22億ポンド(28億ドル)規模の同社を劇的に変革する、大胆なデジタル・ジャーニーを始動しました。

スペックセイバーズでは、大規模プロジェクトを順次実行しリスクや莫大な初期投資を抑えるデジタル革新戦略ではなく、複数の革新的なプロジェクトを同時進行する戦略をとりました。そして、この過去2年間、この会社はパヴィット氏が「テクノロジー革命」と表現するものを経験してきました。

2015年から2016年にかけてヨーロッパ8カ国のほかオーストラリアとニュージーランドでメガネフレーム2,000万点、コンタクトレンズ4億万枚を販売した眼鏡店では、当時二つの最終目標がありました。確固たる「シングル・カスタマー・ビュー」を実現することと、新たなデジタル・サービスを通してでオンラインや店舗でのお客様とのエンゲージメントを強化することです。

そのためには、統合データ・プラットフォームかリポジトリの確立が必要でした。パヴィット氏は「これまで社内には数千のデータ・プラットフォームがあり、ここ3年ほどは組織全体で54の連結データ・プログラムがありました。現在は、複数のデータ・イニシアティブにより、データ・プラットフォームを14か15に減らしました。お客様の情報を一元化するカギは、Oracle Customer Hubでした。データの保持、表示、操作を1つのテクノロジーが担っています。」と語ります。

「このような取り組みをしているリテイラーは他にいません。実践中のプログラムなど、我々が取っている方法は本当に革新的です。パートナー各社と協力し[スペックセイバーズは、世界2,400社のパートナーと共に合弁事業を運営]、店舗の裏側などで使われてきた技術を店舗の中心に動かす必要がある、と気づいたのです。私たちはそれを実現するために投資をしています。」とパヴィット氏は述べています。

リテールのエクスペリエンス・プラットフォームを革新

スペックセイバーズのデジタル革新で中核となる要素は、SaaS電子カルテのスペシャリスト、eClinicalWorksのリテール向けプラットフォームです。世界中のパートナーがそれぞれで使っている異なるプラットフォームを、この新しいプラットフォームに置き換える予定です。

しかし、店舗革新の基盤となる技術インフラも、大きな変化に備えなければいけません。パヴィット氏は、アプリケーション展開の実証段階になってようやくそうした要件が明確になったと述べています。さらに「あらゆるCIOがどこかで必ず直面する状況です。古いインフラの上に最新のアプリケーションを入れると、今後の事業計画を阻害することになります。お客様自身のデバイスと同じスピードで動くインストア・タブレットを活用しお客様支援をする中で、お客様と従業員の両方にリッチなエクスペリエンスを提供しようとするならば、各店舗に強力な技術が必要となります。」とパヴィット氏は述べています。

このインフラ技術は、グローバルIT事業者の富士通が提供します。1,760万ポンド(2,240万ドル)事業の一貫として、ヨーロッパのスペックセイバーズ1,179店舗を一新します。新システムによって、顧客データの利用が強化され、カスタマー・エクスペリエンスを改善できます。従業員にもより情報が伝わり、サービスの向上や、商品追跡、事故防止改善にもつながります、とスペックセイバーズは述べています。



パヴィット氏によると、パートナー選定には3つの重要な要素があります。

単一のグローバル・パートナー 富士通は、スペックセイバーズが現在事業を展開している市場だけでなく、今後ターゲットとする市場でも高品質なシステムを提供しサポートが可能です。「すべてのベンダーがこれに対応できるわけではありません。パートナーはたくさんいますが、彼らが得意としない特定の国では、パートナー側で作業を下請けに出しています。そうすると我々は別の会社とやりとりをしなければならず、それは決して望ましいことではありません。富士通の広範なグローバル・リテール能力とコンサルティングの専門性は、当社のグローバル・ジャーニーの助けとなります。」とパヴィット氏は説明しています。

革新と産業化ができること スペックセイバーズは、新しいアイディアを受け入れ、産業化してくれるパートナーを求めていました。例えば、眼鏡技師がCGI技術を活用してお客様の顔を表示し、様々なタイプのメガネを試せる例です。パヴィット氏は「我々はこのアイディアを受け入れ、実用化し、全店舗に導入し、数百万人のお客様にご利用いただいています。」と語ります。富士通のリテール分野での豊富な実績が決め手でした。

信頼できるコアな能力 もう一つスペックセイバーズにとって重要な決め手となったのは、富士通の安定且つ安全な技術開発への投資実績でした。「本当に信頼できるパートナーとともに基本もきちんとおさえることで、自信を持って新しく面白いものを作ることができます。」

ビッグデータの疑問

しかし、「シングル・カスタマー・ビュー」の実現という同社の目標を達成するには、厳密なデータ・ガバナンスが必要となります。データを元に信頼できるビジネスのインサイトを生み出す前に、データを統合するだけでなく、一貫性を持たせ、クリーンな状態にする必要がある、とパヴィット氏は語ります。「データ・アナリティクスの可能性について誰もが期待していますが、こうした大規模なデータ革命は、どの組織にとっても、ガバナンスを定義するというありふれた作業が必要になります。例えば、『このシステムにデータを入力したら、すべてのマシン上のデータを上書きするのか』と言った点です。」

他にも、グローバルに点在するデータとその移動や、欧州連合で来年5月に施行されるEU一般データ保護規則への対応、顧客データ利用の同意をどのように獲得するのか、などの課題も検討が必要でした。パヴィット氏は、初めにこれらの問題を解決しなければいけなかった、と語ります。なぜなら、同社が扱う情報の中には、イギリスの国民保険サービスなどの医療サービス事業者と共有するものがあるからです。

未だ道半ばとはいえ、すでに革新の可能性は見えてきています。「コアのインフラと新しいデジタル・サービス、そして統合された共通プラットフォームが揃うのが楽しみです。これらはお客様と従業員のジャーニーを迅速かつ正確にしてくれます。裏方のすべての作業であるERPから製造、アプリケーション、共通統合プラットフォームなどが、さらなる効率改善に貢献してくれるのです。お客様の視覚や聴覚を管理し、よりよくするお手伝いができること、私たちの最終的な目標はそこにたどり着くのです」とパヴィット氏は語ります。