デジタル技術と従来のITとのバランス

2016年1月

テクノロジー・リーダーは、従来のビジネス・サービスを提供する一方で、企業の組織がデジタル革新を取り入れていくように支援する必要があります。

CIOが今、抱いている最大の課題は、組織が24時間365日滞りなく動けるように、従来のITを確実にする一方で、デジタル革新を起こすことです。この二つのチャレンジが、ITリーダーシップの役割に非常に大きな影響を起こしてきました。

この2つの役割のバランスを取ることは、今日のテクノロジー業界での、最重要課題です。既存のビジネスを回し、ITにおける経験を積み上げ、セキュリティを強固にし、様々なお客様への販路を毎日維持する責任があります。これら全てをマネージしなければなりません。

しかし、これは、IT部門の責任領域の半分でしかありません。もう一方の領域で、ITはビジネスのやり方や、提供する製品、組織文化、お客様とのやりとりの仕方、お客様に伝えたいブランドを変革する役割を果たします。

320年の歴史があり、16カ国、3,400万のお客様を持ち、保険・年金・預金のサービスを提供しているアビバでは、これは、伝統的な保険企業から『先進テクノロジー企業』に変革を遂げるという長期にわたる取り組みとなります。先進テクノロジー企業として、自動車、旅行やビル管理などの分野におけるデジタル・ディスラプションから起こる新たなリスクに対応していくのです。

従来の業務と、新たなデジタル・サービスの両方を提供することは、大きな挑戦です。日々、異なる課題が生まれています。時には、災害復旧を行う訓練を実施し、災害に対する耐性を強化していかねばなりません。また、新たな価値を提供する大規模なソフトウェアのリリースを敢行する際には、全て計画通りに行う必要があります。デジタル・オファリングとして次に考えることは、未来の家庭に役立つものや、健康診断を受ける際に、スクリーン越しに医者と会話をしたりするものです。どちらも、実証実験では高い成果をあげています。

ITのバランスを維持

デジタル技術と従来のITとのバランスを維持することが重要になります。それには、ある要因、つまり人が重要となります。CIOがビジネスの運用を維持するために、また、より活発となってきているデジタル面での役割に、自分のリソースをあまり消費しすぎないようにするには、能力や意欲が高い人を集め、彼らに責任を均等に分散させる必要があります。望む成果を生み出すためには、全てにおいて成功する必要があるので、人材はとても重要なのです。

もし、バック・エンドの製品がうまく機能していないのであれば、デジタル製品は、その効果を発揮しません。そして、もしフロント・エンドが存在しないのであれば、バック・エンドのシステムは、素晴らしい能力を提供することができないでしょう。これはとても興味深いバランスです。

単に興味深いだけではありません。両者をバランスさせる責務が、ITリーダーシップの役割を変革し、ITがビジネスにおいて最もダイナミックであり、充実したものに変わっていきます。テクノロジー業界において、今がまさにベストなのです。他に手がけたいと思うビジネスはないでしょう。

なぜなら、デジタル化は全てのビジネスの中心にITを置くことだからです。また、それ自身がビジネスになっている場合もあります。自分たちが気づいていてもいなくても、今やあらゆるビジネスがテクノロジー企業なのです。