Image: Harry Borden

デジタルは仕事の未来を形作る

2014年10月

テクノロジーは、私たちすべての働き方を急速に再定義し、従来のビジネスの境界を越えて、新しい形の協調を可能にします。

これから数十年の間に、仕事の意味と進め方を大きく変えていく、いくつかのトレンドがあります。これらは、商品と労働力のグローバル市場における調整、劇的に変化する人口統計、スキルギャップの拡大、中間レベルの仕事の消滅、才能ある人材の重要性の増加が含まれます。さらにもう一つ、仕事のやり方に最も重大なインパクトを与え、これらすべての基盤となっているのは、ITが可能にするハイパー・コネクティビティです。

過去5年、我々は仕事における大きなディスラプション(破壊)を経験しましたが、それはテクノロジーによるものでした。ディスラプションの裏には、処理能力の飛躍的な成長、ビッグ・データの出現、そしてほとんど全ての人、更に全てのモノがネットワークにつながるIoTの進展があります。過去5年にわたり、これから何が起きるのかと考えるのは、とてもわくわくしました。テクノロジーが仕事を変えるスピードは本当に驚くべきものです。

今や、雇用の広がりは、ITによって加速しています。簡単な作業は、それを安く、かつ早く行える他国にアウトリソースできるため、仕事の中身が変化していきます。また、労働は先端技術によってますます置き換えられていきます。より多くの熟練した労働が人工知能(AI)技術で置き換えられていくことで、この傾向はより強くなるでしょう。

AIとビッグ・データを組み合わせると、知識と給与レベルの高い人達が行う仕事も置き換えられていくでしょう。中程度のスキルの多くの作業が永遠に消滅することで、エコノミストが『中間層の空洞化』と呼んでいる現象が生じています。

その結果、人々はより多くの時間を学習に費やし、『ジェネラリスト』から『スペシャリスト』へ、複雑で特殊な仕事に従事しなければならなくなっていきます。グラットン教授のベストセラーとなった”The Shift”(邦題、ワーク・シフト)では、個人が将来成功するために必要な3つのネットワークについて述べられています。

• ポッセ(同志とのグループ)のメンバーとなる
専門能力を学び、成長するためには、ある専門領域に同じような情熱を注いでいるメンバーからなる、近くにあるグループに所属する。

• ビッグ・アイデア・クラウドを築く
高い専門性を持ち、時間の多くを同じような考えの人々と過ごすことの問題は、周囲にある大きなアイデアを見失いがちになってしまうことです。これを回避するためには、セレンディピティ(予期せぬ幸運)の源泉になるような、たくさんの多様なグループとの関係を育むことが大切です。

• 自己再生のコミュニティを築く
人生における労働時間が長くなるにしたがって、仕事、キャリア、個人の環境などを変える際に、仕事上のつながりや、個人的なつながりを再構築する方法を学ぶ必要があります。

協調する方法
テクノロジーは、個人の就業機会を変革するだけでなく、労働者が集団で取り組む仕事にも大きなインパクトを与えます。かつては、個人がスマートで革新的であることが主に求められていると考えられていました。しかし、実際に見えてきている課題は、どのようにして異なる信条を持つ人々をまとめ、考えを共有させるかということです。

現代では、バーチャルな環境で非常に手の込んだ方法で一緒に作業するように求められていますが、テクノロジーを用いることによって、とても簡単に行うことができます。

現代では、バーチャルな環境で非常に手の込んだ方法で一緒に作業するように求められていますが、テクノロジーを用いることによって、とても簡単に行うことができます。

“リーダーにとっての新たな課題は、優れたアイデアが組織の外に存在することを理解すること”

驚異的な速さで変化するため、CIOは多くの課題を課されることになります。組織内、組織間で働く新しい方法を支援するため、そして競争優位を創りだすために、協調ツールや、社内SNSからイノベーション・ネットワークに至るまで、先進的かつ信頼できるテクノロジーを適用する必要があります。

リーダーの新たな課題は、優れたアイデアが社外で生み出されるようになっていることを理解し、それらを見つけ出すことです。これはとても困難な課題です。

実際、グラットン教授は「働き方の未来コンソーシアム(Future of Work Consortium)」に加入している40社以上のグローバル企業に勤めるリーダーから、現在そして今後の最大の関心事について毎年調査を実施しています。

毎年、出てくる答えは、コラボレーション(協調)ということです。彼らは、組織の壁を越えて人々がアイデアを共有できる体制を構築するのに苦労しています。

現状では、それぞれが個人の仕事をして、最後にパッチワークのように一緒にまとめるというのが最も簡単です。しかし、複雑なコラボレーションを実現するために、本当に重要なポイントは、最初の部分から共同作業をすることです。