Image: Harry Borden

グローバルCXOが持つリーダーシップの視点

2014年10月

ビジネス・リーダーシップは驚くような変革を遂げています。経営者は、新しいスキルセット、価値創造、グローバルな展望を強化していかなければなりません。

企業を変革するのは、まさにリーダーシップがどうあるべきかを変革することです。我々が有しているリーダーシップの能力のいくつかは失われつつあり、リーダーシップとはどうあるべきかについて新しい考えが生まれています。

リーダーがどのようにリードしていくのかに関して、リーダーの意識と周囲の期待に、大きな変化が起きていると見ています。企業への信頼の低下、透明性の更なる要求、市民運動の高まりや短期財務目標重視の考えに対する反感の高まりなどの影響により、グローバル企業のCXOは、新たな、より多くのステークホルダーの利益を反映するように行動を変えつつあります。それらのステークホルダーは、従来の投資家や株主を超えて、従業員、ビジネスを実施する地域のコミュニティ、サプライチェーンに関わる関係者、お客様、そして、社会全体にまで広がっています。

著書”The Key” (邦題、未来企業)の中で、「リーダーシップに関する新しい考えは、リーダーの果たすべき役割、請け負うべき業務、身につけるべきスキルや能力などに関する我々の認識を変えつつある」と主張しており、これは他の経営層と同じく、CIOにも当てはまると言えます。

私たちは、力強いリーダーを、広報活動によって支え、親子関係のように社員が従うという古いスタイルのリーダーシップからの変革の真っ只中にいます。同時に、リーダーが信頼をベースとして、階層が取り壊され、これまでよりも従業員がより主張するという新しいリーダーシップの形が表れつつあります。

経験と価値
このような目標を達成するため、企業の責任に真摯に対応する数多くの企業は、リーダーに『企業の最前線』にいるチームと連携することを促します。世界の恵まれない人々へのサポートは、企業の社会活動のベースとなる信頼と意義を醸成し、企業全体に広がっていくでしょう。

この事例として、デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクをあげることができます。ノボ・ノルディスクの役員はここ最近、リオデジャネイロのファヴェーラとサハラ以南の貧困地域にある子供のがん患者施設を訪問し、施設を支援しました。その経験が、CXO自身の価値観を形成するのに役立っています。ノボ・ノルディスクは、トリプル・ボトム・ラインと呼ばれる、企業活動を経済、社会、環境という3つの側面から評価する考えを取り入れています。

実体験が、世界に対する考え方について、経営者の考えを根本的に変えたかどうかがわかります。彼らは、これから偉大なことに取り組むリーダーになるといえます。

より身近な例として、技術部門のリーダーが世界中の異なる地域で若年者失業に対して深く取り組んで、革新しようとしていることがあげられます。そこでは、テクノロジーを活用して、若者に学習機会を提供し、次の10年に成長するであろう新しい分野の仕事に対して準備ができるようにしています。

新しいリーダーの特徴

リーダーとは、企業や組織が成功している世界の中で、単なる傍観者ではありません。組織を強靭にし、事業をコミュニティに定着させ、グローバルな課題を解決するために、リーダーは次のような特徴を示す必要があります。

• 支援や手本となるような思いやりを持つ
• 他の人が従うような意欲的な目標を定める
• より広いコミュニティの人々を巻き込んだリソース配分を行う
• 一連のステークホルダーにリーチする

このようなリーダーは、最近急速に増加している、ポジティブな違いを作り出そうと考える先駆者達といえます。優れた企業は、株主へ十分なリターンを行いつつ、広範な社会課題に応える企業であるといえます。調査によると、持続可能性に取り組む企業の株価は、他の企業の株価を大きく上回っています。