Photography: Bram Belloni

デジタル化をビジネス全体の機会に変えるテクノロジー

2017年3月

ヒューマンセントリックなアプローチで、高度なデジタル・イノベーションが、企業活動全体に適用される時代がもうそこまできています。

どこを見回しても、IoTからビッグデータ分析、AIまで、最先端技術がほぼ全ての業界でデジタル革新の波を牽引しています。しかし、こうしたイノベーションは、新規のビジネス・モデルや効率性を追求した結果、生まれているわけでは必ずしもありません。

ロイヤル・ダッチ・シェルでは、よりヒューマンセントリックな要素が常に念頭にあります。デジタル化で新たに適用するテクノロジーを検討する際、シェルでは安全性を第一にしています。例えば、危険な環境でアセットの検査を遠隔で行うために、ロボティクスやドローンを使えないかを検討します。人の身を危険から守ることが、私たちが最も関心を持っている技術です。

こうした適用は、いかにデジタル技術がクリエイティブで普遍的なものになっているかを示しています。油田での作業を自動化し、自動的に原油を取り出せないでしょうか、という問いに対して、もちろんできます。と応えます。これまでもシェルは最先端技術を活用し、独自のソリューションを開発してきましたが、その対象は、最大の油田など最も価値の高い資産の自動化に限定されていました。しかし、デジタル・テクノロジーの急速な進化により、今までよりも劇的に幅広い展開が可能になります。

センサーやネットワーク、データ統合などの高度な技術の多くを、以前は自分たちで開発しなければなりませんでした。しかし、今は、業界全体が急速に進化する中で、モノのインターネット(IoT)が弊社のセンサー・ネットワーク全体で統一的に使える技術として、あらゆる可能性をもたらしてくれると考えています。こうした種類のイノベーションを石油資源の中でも最も価値が高いもの、または生産性の高いもののみに活用するのではなく、あらゆる資産に活用することができます。

決断力のあるマシーン

IoTの幅広い適用と並んで、機械学習の進化からもメリットを得ようと取り組んでいます。機械学習は既に、画像や文字認識、意思決定支援など、人の能力を超えた情報処理の分野で活用されています。また、油田の掘削、さらなる原油の精製、安全な支払いなどのお客様やモノとのやりとりを、よりシンプルにする取り組みなどにおいても活用されています。

シェルは、自社事業以外でも、新たなビジネス・モデルを中心に集約し、インテリジェント・プラットフォームをより幅広いビジネス・エコシステムに適用できるか検討しています。例えば、コネクテッド・カー(常時インターネットに接続できる機能を持った自動車)の台頭を受け、シェルでは自動車メーカーなどと協力し、給油時やコンビニエンス・ストアを利用する際の手間を省く施策を検討しています。その例が、Fill Up & Goという、2015年にイギリスで導入されたモバイル決済サービスです。新しいユニークな方法でお客様とつながりたいのです。お客様の声を聞き、コミュニケーションをとりたいと考えています。

しかし、新しいビジネス・モデルをつくることが全てではありません。ビジネス効率の大幅改善は、優先順位の上位にあります。デジタル戦略への取り組みが、標準となるプラットフォームを形成してくれました。そして、ビジネス・プロセスはこれまでよりも安価に実行できるようになりました。機械学習でも、人工知能でも、データ標準でも、独自のカスタム・システムを我々が開発し、事業価値を提供する必要はもうないのです。プロセスや標準をプールしておくことにより、全社に幅広く存在する課題を解決できるのです。