Image: Emmanuel Fradin

ブロックチェーンは、いかに経済の勢力図を塗り変える機会となるか

2016年7月

インターネットの第一の波は、富と権力を公平に分配できませんでしたが、ブロックチェーンはそれに挑みます。

人間の歴史において、不確実で困難な時代である現在、技術の精霊が再び壷から解き放たれ、呼び出されました。Webの初期を知っている多くの人達のように、『民主化経済』に対する新しいメディアの可能性に期待しすぎかもしれませんが、ブロックチェーン技術の新しい波とともに、その機会が再度訪れています。今回は単なる情報だけではなく、価値の移動を基にした期待なので、その機会はより具体的になるでしょう。

ブロックチェーンは、経済の勢力図を書き直して、はるかに平等で繁栄する社会を創りだすための機会を再度提供してくれますが、それは、我々がそうしたいと思った場合だけに限られます。

公平ではない地球

集中管理された、ブロードキャスト型の、受身の人々と強い力で管理された古いタイプのテクノロジーとは異なり、インターネットと情報Webは分散型で、1対1、多対多、未管理であり、素晴らしい中立性があるという感覚でした。その感覚は、もし、我々が正しく行えば、ずっと民主化された経済を創りだせるだろうというものでした。価値と名声は、地位ではなく貢献の質から評価されます。そして、世界はより平等に、より能力主義で、より柔軟で、より流動的になるだろうと考えています。

しかし、このような民主化された経済は、いたって基本的な理由で起こりませんでした。この素晴らしい、分散された情報のインターネットは、まったく分散化されていない社会の上にあり、結果として、その利益は不公平になり、強い力が大半を取ってしまったのです。

現代史において初めて、平均的家庭の安定がかげり始めている、この先進国世界では、その結果はあまりにも明らかです。成功できないどころか、実のところ、安定から流されてしまっているのです。

“世界の思慮深い人々は、普通の人間が信用を創造することを可能にするプロトコルの意味を理解しようとしています。これは過去には起きなかったことです。”

もう一つの決定的要素として、インターネットの第1時代は情報の移動に制限され、価値の移動は無かったという事実があります。情報のインターネットは偉大でしたが、大きな弱点がありました。銀行や政府のような強力な仲介者なしには価値の貯蔵、移動、取引ができませんでした。しかし、ブロックチェーンはそれを解決することができます。

今日、世界の思慮深い人々は、増加しつつあるグローバルな分散型台帳(ブロックチェーン)の基礎となっているプロトコルの意味を理解しようとしています。そして、そのブロックチェーンは難しいコードを用いて、普通の人間が信用を創造することを可能にします。これは過去には起きなかったことです。2者間または多者間の直接の信用取引が、利益重視の大企業ではなく、多数のコラボレーションによって証明され、私利の集まりによって動かされています。

今や、ブロックチェーン技術により、新しい可能性に溢れた世界が開かれ、過去のすべての動きを逆転させるのです。真のピアツーピア・プラットフォームを有し、多くの人がわくわくするような新しいことを可能にします。我々は自身のアイデンティティと個人データを持っています。また、金銭と情報を取り扱う強力な仲介者なしに、価値を創造し、交換するというトランザクションができるようになります。我々はプライバシーを保護し、自身の情報を有償化でき、クリエイターが知的財産の補償を確実に受けることができます。

そして、これは経済の力のバランスを取り戻せる可能性を秘めています。増加しつつある社会の不平等の問題を、富の再配布のみで解決しようというのではなく、富の配布の仕方、―例えば、農夫から音楽家まで世界中の人々が、自分が創造した富について、先験的に、より完全な分配ができるように、最初の段階での富の創造の仕方から変えられるのです。大きな可能性が広がっているのです。